質問
外傷に対して行えることはなんでしょうか?
40代男性
主訴:右足第五指外側の強度打撲
現在、鍼治療、電気治療、超音波治療を受けて一か月になるそうですが、痛みが取れないとのことです。
回答
基本的に外傷は整体適応症でないことはご存知かと思います。
ただ、外傷をキッカケにして、TPが形成され、その痛みにスイッチされているケースはあります。
今回のご質問のケースは、鍼、電気等の治療を受けて一ヶ月とありますから、最低でも打撲から一ヶ月以上経過している症例です。一ヶ月とは長いですね。
打撲という判断は医師の所見でしょうか?
もし、そうだとすると、レントゲン所見でしょう。
趾の骨のヒビというのは結構、レントゲンに写りづらく、見逃されているかもしれませんよ。
つまり、単なる打撲ではなく、骨にヒビが入っていた・・・ということです。そうすると、単なる打撲よりもはるかに時間がかかりますよね。一ヶ月くらい痛みがあってもおかしくありません。
こういうケースなら、時間が解決するわけですから、我々が介入したからといって、さほど鎮痛効果はないでしょう。
もう一つの可能性。
打撲したときに、強い衝撃がありますから、その衝撃が元で「骨間筋」という筋肉にTPが形成され、それが活性化されているのかもしれません。
骨間筋といっても種類があるのですが、第4中足骨と第5中足骨の間の背側骨間筋だろうと思います。
反射区でいうと「平衡器官」「肩甲骨」に相当します。ただし、それらの反射区よりもかなり中へ食い込ませるような施術でないと届きません。
もう一つ、小指側に「短小趾屈筋」という種類の筋肉があって、そこにTPが出来て痛みを出しているのかもしれません。
反射区でいうと「肩」の部位に相当します。やや足裏側からのアプローチでその部位に刺激を送ることができますから、ついでにやってみては如何でしょう。
小趾側に送られてくる遠位の筋TPは発表されている限りではないのです。だからといって絶対に遠位筋が原因ではないと断言することはできません。個別的反応というのがありますから。
案外、ふくらはぎの外側全体を緩めると緩和されるかもしれません。
質問
重病者はうつ伏せ施術をできない、とのことでしたが、横向きの施術の場合、背面部の施術はどのように行えば良いでしょうか?
回答
脊柱起立筋へのアプローチのことですね。
基本手技にある「胸椎際」はどちらかというと、深部脊柱筋アプローチですから、ご尤もな質問です。
まず腸肋筋から。
腸肋筋の外側、「谷」の部分から斜めにアプローチしていきます。やや下に押し下げる感じで行えば、腸肋筋に関しては影響を与えることが出来ると思います。
さて、問題は最長筋ですね。コリコリしていてもともと筋腹を捉えるのが難しい筋なのですが、それが横向きですと、さらに難しいことになります。
しかし、これを使わざるを得ないのはさほど多くはありませんので、基本手技には入れておりませんでした。
どうしても使わざる得ない場合、つまり質問にあるようにうつ伏せになれないクライアントで、どうしても最長筋アプローチが必要なケースは、そこがポイントなのですから、やりづらいとか、そういう問題ではなくなりますよね。基本手技の型を利用しながら、やりづらくともやらねばならないのです。
最長筋全編に渡ってこれを行うのは大変ですが、症状によってどこをやらねばならないか、大体予測できるはずです。
その予測の範囲だけなら、多少のやりづらさはあっても、苦労するというほどの労力はかからないと思いますよ。
尚、多少のやりづらさはあってもやり方自体は大体想像できますでしょ。確認のため、今度お会いしたときに私に聞いてください。
(私は忘れている可能性がありますので、覚えておいてね)
質問
脊柱起立筋(胸椎の6,7番あたり)を押すと息苦しくなるとおっしゃる患者さんがいます。最近2度連続で反応がでましたが、なぜでしょうか?
60代女性
主訴:首・肩・背中のコリ、腰部痙攣、こむらがえり
腰部痙攣はブロック注射にて対処。整体後、大半の症状緩和。まだ
ステップ3を受けていないので、腰に決定的な改善をもたらせない
のが、心苦しいです。
回答
興味深い現象です。決して多くはありませんが、確かにそのような例はありますね。
胸椎6番・7番辺りというのは経絡反応ゾーン(背候診)では「心」「心包」に当たります。この経絡はまさに胸部を支配していて、もし問題があるとすれば、押圧による息苦しさを感じることがあってもおかしくはありません。詰まった配管に無理に水を流そうとすると逆流することがあるのと同じ理屈です。
普通は、流れが改善して楽になるのですが・・・レアケースとしてあり得るわけですね。
さらにこの部位は横隔膜に物理的な刺激を与える部位でもありますから、胸隔圧迫による過剰刺激の可能性もないわけではありません。
その場合、うつ伏せによる「十字掌圧」や「背圧し」は控えて、横向きのみの胸椎際押圧を施すことによって解決することが多いものです。
それでも、まだ息苦しさを訴える場合は、背中そのものの操作を採り入れない施術を組み立てる他ないでしょう。
一過性のもので、継続すると解消されていくとは思いますが、大事をとって、そういう措置を取られたら良いと思いますよ。
腰部痙攣というこれもまた珍しい症状を抱えておられるようですから、もしかすると、筋肉がツレやすい体質なのかもしれません。人によって体質は様々なので、不快な症状が出るということであれば、その原因になっているであろう手技を予測し、あえて省略することも必要だということです。
※腰痛の改善が出来なくて、心苦しいとのことですが、そうです。その気持ちが大事なのです。楽にさせてあげたいのに今一歩。なんとかしたい、どうにかしたい。その気持ちを10年持ち続けてごらんなさい(10年のうちには私が持っているあらゆる方法論を学ぶことができるでしょう)。スゴイことになりますよ。テレビでたまに出ている腰痛治しのゴットハンド整体師なんぞ足下にも及ばせない実力者になりますから。頑張ってついて来て!
質問
側わん症は、首肩のコリを増悪させると思います。STEP2時点なので、上背部痛の公式で対応しました。脊柱起立筋がとても固く、押すと痛みます。その他できることがあるでしょうか?
回答
側弯症・・・厄介ですね。
整体随想の中で、ウサイン・ボルト選手を例にして、側弯症について記したことがあります。
そこで述べているように、1000人に一人の割合で発症する真性の側弯症は治すことができません。
また、真性でなくとも、幼少時に尾骨の変移が起きて、背骨がスピンするかのように側弯している場合も、正常に戻すことは難しいでしょう。ましてや年齢が中年以降ということであれば尚更です。
人間の身体というのは適応力というものがありますので、その状態で健康を維持することはできます。しかし、おっしゃるとおり肩こりなどを憎悪させるなどして、歪みを持たない人よりも不利ではあるでしょう。
さて、対処法ですが、特別な方法が必要というわけではありません。いやむしろ、側湾を意識し過ぎた施術はあまりよろしくないのです。
あるがままに、基本手技に則って、あるいは他の症状がある場合はそれの施術公式を取り入れながら、ゆっくりと静かに緩めていってください。もちろん、側弯症特有の偏移性起立筋硬化がある場合はそこを重点にします。
しかし、決してムキになってはいけません。なるべくしてなっているわけですから、硬さに対抗するというのではなく、深部に圧が到達して、芯が緩んでくるようなそういう施術をすることです(これは全てに通じることですが)。
上手くいけば、側湾そのものは治らないまでも、明らかに側湾度合いが減少していたり、自覚症状的にとても身体が軽く、楽になったという感想を頂けるでしょう。
施術者としてできることはそこまでです。あとは定期的なメンテナンスによって、母なる自然の力がどこまで解決してくれるか?ということを見守っていくのです。
質問
「五十肩は自然に治まる場合、治まった後も違和感が残るのはどうしてですか?」(53歳女性・看護師)という質問を受けました。
五十肩の痛みの原因はTP活性状態だと思いますが、症状が自然に治まる場合、どんな状態にあるのかな?と思いました。痛みを送るTPが沈静化して、別のTPがまだ活性状態にあるので違和感が残るのでしょうか?自然に治まった場合も、五十肩の公式を用いて、違和感を取り除くのでしょうか?
回答
肩の痛み、違和感は、大概の場合、回旋筋腱板等の筋筋膜TPの活性化によるものです。ですから、おっしゃるとおりの理由でそうなっていることもあるでしょう。
しかし、それ以外にも二つほど理由がありますので、それについて少し説明しておきますね。
本題に入る前に基本をおさらいして置きましょうか。
まずTPというのは「形成されること」と「活性化されること」とは全く別のことだという基本的な認識をしておかねばなりません。
過剰な負担、加齢、あるいは運動不足によってTPが形成されるのですが、されたからと言って、すぐに活性化されるとは限りません。ある筋肉にTPが形成されたまま、何年も何十年も痛みが出ないことだってあるわけです。(場合によっては一生)
ところが、どうしたわけか(実はこの機序はよく分かっていません)、何かのキッカケで形成されていたTPが活性化して痛みを引き起こします。
五十肩などは多分、かなり若いうちに関連する筋肉にTPが形成されているものでしょう。それが丁度50歳前後で活性化して痛みが送られることが多いので「五十肩」という症候名になるわけですね。
さて、TPはある日、活性化するわけですが、その活性も次第に弱まり、自然に沈静化されていきます。(五十肩に関して言えば)
軽症で早い方なら数ヶ月、重症の場合は数年かかることもあります。
ここで、注意しておかなければならないのは、TPの形成と活性は別物のわけですから、痛みがなくなったからといってTPがなくなったわけではないということです。短縮、もしくは萎縮した状態のままであることに変わりはありません。
ですから、その短縮、もしくは萎縮した筋肉の状態そのものが、違和感の原因となる場合があるわけです。
あらかた沈静化はなされているので痛みそのものは感じませんが、独特の違和感みたいなものが残ってしまうことはよくありますよ、私もそうでした。
この場合の処置ですが、TPがあるであろう部位に普通にアプローチして、短縮、萎縮を緩和させていけば、早く違和感が取れてくるでしょう。普通の五十肩対応で問題ありません。
もう一つのケース。
短縮度合いがとても強くて、筋断裂が広範囲に起きているケースです。この場合相当な物理的損傷を被っているわけですから、それが修復されるのに、とても時間がかかることは察しが付きますよね。
とくに上腕筋系の腱に断裂が起きて、半分近くが切れてしまっているなんてこともあるのですが、この場合は結構長引きます。
腱は再生されることはありませんから、残った部位が発達して代償することになります。
もうすでに50歳を超えている状態で、もとの強い腱に戻るまで代償するほど修復力があるか?という素朴な疑問が浮かびますよね。そう、個人差がありますが、少なくとも、相当な時間がかかるはずです。
その間中、強い痛みはないにしても、ずっと違和感を感じ続けねばなりません。もちろん、このケースの場合であっても、整体施術は血流改善に貢献しますから、代償的な組織の発達を促します。
しかし、前者よりも即効果、もしくは著効を得られづらいものだということを理解しておいてください。
ということで、質問者が思っておられた原因、そして今説明した二つの原因、計三つの原因が考えられるわけです。
いずれの原因であったとしても施術の仕方は、基本手技に五十肩公式を組み入れていくことに変わりはありません。
質問
先回熱がある方のご相談をさせて頂きましたが、ギランバレー症候群ではないかと診断されたようです。
筋力が30代の方なのに60代くらいだと…今日退院されましたが、今後この状態の方に整体はいかがでしょうか?
もし、するとしたら注意する点はありますか?
よろしくお願いします。
(東京都 Tさん)
回答
かつて女優の大原麗子さんが亡くなったとき、持病としてギラン・バレー症候群を抱えていたとの報道がありました。
そのせいか、死の転機を辿る恐ろしい難病というイメージが一部で定着しましたが、死に至ることは極めて稀で、大半は予後良好のようです。
しかし、難病指定にされているくらいですから、発症から急性期にかけてはほとんど日常生活もままならず、辛い病の一つではありますね。
さて、私自身はギラン・バレー症候群のクライアントさんを診たことはなく、体験からのアドバイスができません。申し訳なく思います。しかし調べると神経根の炎症を伴うようですね。
ということは、急性期にかけては整体不適応ではないかと思います。
炎症を伴い、筋力の大幅な低下があるわけですから、大事をとって圧をかけるのは避けたほうが良いのではないでしょうか。逆に回復期ですと体液循環を促して、治癒を早めますので、適応症になるのではないかな、と。
(回復期というのは早くとも数ヶ月後になるでしょうが・・・)
ではそれまで指を加えてただ見ているしかないのか?という疑問が出てくるでしょう。
そこで「困ったときの足揉み」が活きてきます。
足揉みですと危険性は少ないですし、炎症を鎮める効果がありますから、この場合はリッパな適応症になると思いますよ。Tさんの得意分野ですしね。
それとこういう場合、もう一つ有効な方法があります。
Tさんが興味を持たれているクラニアル・マニピュレーション。
これも炎症を鎮め、かつ髄液の浄化を助けるので、病態からいうと非常に理に適っている方法だと思います。
(なにせ、西洋医学では血漿交換という治療法を行う場合もあるくらいですから)
というわけで、もし私でしたら、足の施術+クラニアルで臨むでしょう。整体が出来るような感じになってくれば、まず上肢のみの整体から始めることになるかもしれません。(状態を聞きながら決めます)
以上、こんな感じで組み立てると思います。
たまたま、クラニアルに興味を持たれていて、その質問があったにも関わらず「まだ早い」と答えを保留にしたばっかりなのに、対処法にクラニアルを持ち出すのは心苦しい限りです。
でもいずれ学ぶでしょうから、こういう病態に使えるということを覚えて置かれると良いと思い、あえて記した次第です。
質問
仕事の後に全身の力が入らず38℃の熱があるので、足もみをして欲しいという方がいっらしゃいました。
こういう方は整体はすぐできますか?
(東京都 Tさん)
回答
これだけでは、発熱の原因がよく分かりませんね。
単に風邪だと仮定しましょうか。
整体には即効的な解熱効果はありません。
(足揉みもそうですが)
むしろ、少し熱が上がる可能性があります。
通常より高い体温で免疫力がより発揮されるわけですから、免疫力をアップさせる療法(足揉みにしても整体にしても)を施せば、そうなるのはある意味当然です。
その点だけで考えれば、熱が一時的に上がるにせよ、早く治まっていくので、クライアントさえ、そのことを了解すれば施術しても問題はありません。
しかし、本当に風邪ならば、わざわざ発熱時に整体をするのではなくて、ビタミン等をしっかり摂って安静にして回復させるのが良いのではないでしょうか。
整体は相手とかなり濃密に接触しますでしょ。感染される可能性が高いですよね。
それと風邪による発熱時はクライアントの身体が敏感になっています。筋肉の痛みとか、関節の痛みを伴うこともあるわけですし。
そうすると、通常とは違ってかなり気を使う施術になりますね。
そういう気の使い方は施術者をダメージさせます。
感染のリスクとダメージリスクのW効果で、決してコストパフォーマンスが良い施術とはいえないでしょう。
風邪は安静にすれば治るものですから、そこまでのリスクを負って施術しなければならない理由はありません。
これが風邪ではなくて「原因不明の高熱が続いている」とか、やはり「原因不明でズーッと微熱が続いている」ということでしたら、我々の介入が必要かもしれませんので、そういう場合は施術する意義が出てきます。(肝経異常の可能性が高いので)
ご質問の症例は後者ではないと思いますので、見合わせたほうがよろしいかと思いますよ。
質問
ステップ2を教わって肩こり、首こりの改善感が抜群に違ってきて、とても嬉しく思っていますo(^▽^)o
早速質問なんですが、肩や腰が鉄板のように硬く張っている部分で指が折れそうなくらい硬い部分はやはり少しずつ少しずつ押圧していくしかないですか?少しはやわらかくなりますし、ご本人も動かしやすくなったと言われます。一回の施術でやわやわにするのはやはり慣れていないからですか?(東京都 Tさん)
回答
「やわやわ」とひらかなで書くと、なんとも味合いのある語感になるものですね。
さて、その「やわやわ」にしたいわけですよね、「ガチガチ」を。
触れた感じがあまり変わってなくとも、施術された本人は相当に和らいだ感じがするケースは結構多いのですが、施術者自身もしっかり手応えとして(あ~やわやわになったなぁ~、いい仕事したなぁ~)と思いたいのはやわやわ、もとい、やまやまだと思います。
私もそう願い、そういう施術を心がけできたのですが、いつの頃からか、あまりそういうことを意識しなくなりました。
つまり、圧がしっかり浸透する感じ(これを経絡反応といいますが)を得られると、やわやわになっていくのが経験的に分かってきたからなんですね。
これはタイムラグがあったりもしますよ。
施術した直後よりも少し時間が経ってからやわやわになるケースもあるのです。
あっ硬い!→よし、ほぐそう!という意識が逆に圧の浸透を妨げることがあります。
あっ硬い!までは物理的なものですから、そう思うな!というほうが無理でしょうが、よし、ほぐそう!とか、やわやわにしてやろう!という意識は意志の問題ですから、コントロールできるかと思います。
あっ硬い!と思ったら、やわやわにしてやろう!とは思わずに、どこまで深く入るか、またその圧が浸透していっているかどうかだけを意識したほうが良いのです。
というのは「やわやわ」になるかどうか?というのは結果ですよね。
我々は結果をコントロールすることなどできないんですよ。
(あらゆる症状についてそれは言えます)
コントロールできるのはあくまでそのプロセスです。
どの部位をどこまで深く圧せるか、これがプロセスであって、コントロールできる全てです。
他流儀の施術者で結果をコントロールしたがる人がいますが、これは神をも恐れぬ不遜な態度と言わざるを得ません。
結局、結果をコントロールすることなどできないので、施術ストレスのドツボパターンに陥ったり、クチ揉みに逃げたりするわけです。
自分で満足できるほど、しっかりと圧が浸透していく様を実感すれば、あと何が必要でしょうか?(施術部位の選定なんだけどもさ)
ですから、やわやわになったかどうかを全然意識しなくなって、それでいてしっかり結果がついてくる・・・ということが多くなったとき、Tさんもかなり名人に近づいていると思ってください。
とにかく、深く・・・海よりも深く、母の愛よりも深く、圧をゆっくり入れていくことです。そして持続すると・・・そうすれば結果として「やわやわ」になっていくでしょう。
もしそう感じなくても、それはそれで良いのです。そうなるよう最大の努力をしたのですから。
※己の技量不足で「やわやわ」にならないこともありますが、これは自身の研鑽にかかってますからね。頑張って!っていうしかないです
質問
クライアントさんに「背圧し」をし始めたら、時間があまりないと言う方だからか、何で左右いっぺんに押さないの?効率悪いじゃない、と。別に効率重視してないし…と思いましたし、そんな簡単なものではない、と思ったのですが、あまりにも不思議というか不意を付かれて、仙人に聞いてみますと答えてしまいました^^;
先生なら何て答えられますか?本当バカみたいですみません。
(東京都 Tさん)
回答
本来、St1での質問カテゴリーにはいるのでしょうが、別にバカみたいな質問ではありません。
そういう疑問はもっともだと思います。
St1の中で説明したかと思うのですが、もともと「背圧し」というのはこのクライアントさんがいうように両方(左右)いっぺんに押すものでした。(昔から伝わっているやり方は)
しかし!
その方法だと絶対に指を傷めます。しかも、この仕事を続ける限り「治ることがない」というくらい負担がかかるものなのです。だから畳の上の土方仕事と言われていたのですよ。
そういうわけで、最初、基本手技を設計するとき、この「背圧し」は省略しようかな、と思ったくらいなのです。
しかし、現代人こそ自律神経が交感緊張に傾いていますし、内臓が疲れている人が多いだろうと、そのことを考慮すると省略しないほうが良いかなと・・・施術のごあいさつとして最初を飾るにはふさわしいかなと・・・というわけで組み込んだ経緯がありました。
でも、そのままだと指を傷めるのは必定ですよね。
ここにジレンマがあったのです。
ですから、ある種の妥協なんですね。
両指を添えて使いますと、指の負担が減ります。つまり、指を傷めるというリスクを回避できるわけです。しかし、時間が倍かかるわけですよ。クライアントさんがいうように効率が悪いと思う人もいるでしょう。
さて、そこで仙人こと私はどう答えるか・・・・
中々難しいですね。
気心知れた友達とかでしたら、「バカいうなよ、オレの指を保護するために片側づつやってんだよ!」と本音をいうところですが・・・まさかクラアントさんにそんな口きくわけいかないしね。
ま、そうですね・・・
「片側づつのほうがしっかり圧がはいって良く効くんですよ」くらいのことをいうかも知れません。(これウソじゃありませんから)
心の中では(そんなこというんだったら、背圧しは省略するぞ!背圧しどころか施術やってやんないぞ!)と思いながら・・・・ま、それは冗談ですけど。
そういうことをいうクライアントさんは珍しいですね。
初めて聞きました。
でも大きな問題ではありません。
理由が分かれば対処できますよね。
質問
フル整体した後で起きて頂いた時に立ちくらみみたいにフラついた方がいました。直ぐ改善されましたが、ふだんやや血圧が高めの方なのでドキッとしましたが、その後も特に何事もなく過ごされているのですが、一過性の血流改善によるものなのかな?と思っていいでしょうか?(東京都 Tさん)
回答
実は施術後というのは血圧が下がります。
人によってはかなり下がります。
貧血気味の人、低血圧気味の人、逆に血圧高めの人には事前に言っておいたほうが良いかもしれません。
しかし、おっしゃるように一過性のものですから、あまり心配は要りません。
心配なのは糖尿病で服薬している方ですね。
血圧というよりも、低血糖でフラつくことがあるんです。
ですから、必ず施術前には、服薬しているかどうか聞いてください。
これは血圧の問題よりも厄介です。
効果が結構持続しますので、その状態で血糖値を下げるクスリを服用すると、起き上がれなくなる場合もあるくらいです。
場合によっては昏倒することもありますから、実に危ない。
糖尿病で服薬されている方(当然インスリン注射も含みます)。
必ず注意を喚起しておいてくださいね。
そういう方は低血糖対処についてはよく知っているはずですから、注意さえ喚起して置けば大きな問題は生じないはずです。